四国犬は、現在の高知県を中心に、山岳地帯でクマやイノシシなどを狩る猟犬として古くから飼育されてきた日本の在来犬です。
かつて「土佐犬」と呼ばれていましたが、大型の闘犬の「土佐闘犬」との名称の混乱を避けるため、四国犬と改名されました。高知犬と呼ばれることもあるそうです。
産地別に阿波系、本川系、幡多系の3つの系統が存在していましたが、飼育地が僻地だったことで一番純粋性を保ったのが本川系だといわれています。1937年、天然記念物の指定を受けました。
四国犬の性格
四国犬は、日本在来の猟犬としての特徴をよく残していて、感覚は鋭敏で警戒心が強く、主人と認めた者にはとても従順に尽くす半面、主人以外にはなかなか慣れません。なわばりを守る意識が強く、主人が不在の場合でも独りでなわばりを守りながら過ごす忍耐力があります。不審者には激しく吠えかかり、時には攻撃に転じる気の強さがありますので、他の犬との接触には注意が必要です。
四国犬の種類(色やタイプ)
四国犬の毛色には、赤、胡麻、黒褐色があります。筋肉質な中型犬で、巻き尾か差し尾に立ち耳の犬種です。
四国犬の値段・価格相場
四国犬の値段は、10万円前後で販売されることが多いようです。ペットショップの店頭で販売されることはないので、ブリーダーから直接譲ってもらう入手経路が一般的です。
四国犬のしつけのしやすさ
四国犬は、日本犬の特徴をよく残していて、誰にでもフレンドリーな愛玩犬とは性質が違いますが、頭はとても良く、主人にはとても忠実に従うようになります。子犬の頃からの関係性がより重要になってきますので、コンパニオンドッグとして飼育する場合は色々な人に可愛がってもらったうえで、社会化とトレーニングを正しく行う必要があります。
四国犬の寿命
四国犬の平均寿命は11~13歳くらいです。平均的な中型犬の寿命となります。丈夫で、比較的健康管理のしやすい犬種です。
四国犬の飼いやすさ
四国犬は、日本在来犬として、警戒心の強さや知らない者に媚びない態度、他の犬種にはあまりみられない独特の魅力で、愛好家によって血統が守られてきました。初心者向けとはいえない難しさがありますが、社会化とトレーニング、適切な運動やしつけで家庭犬として飼育されるにあたって、優しい性格の犬も増えてきましたようです。
四国犬のブラッシングや抜け毛などの処理
四国犬は短い毛が密集したダブルコートの被毛で、抜け毛は多いほうです。特に換毛期はよく抜けますので、最低でも週に3回位、抜け毛が多い時期は毎日でもブラッシングしてあげましょう。
四国犬の散歩
四国犬は山岳地帯で猟犬として使われてきた犬種で、筋肉質で、持久力にも優れており、多くの運動量を必要とします。30分以上の散歩を1日に2回はしてあげましょう。警戒心が強く、時に攻撃に転じてしまうこともあるため、リードは必ずしっかりと管理しましょう。ドッグランで知らない犬と一緒にするのは避けたほうがよいでしょう。
四国犬の室内で飼うにあたって気になること
四国犬を室内で飼育する場合に注意すべきこととしては、夏場の温度管理や抜け毛対策などが挙げられます。跳躍力もありますので、サークルには強度や高さが必要となります。
四国犬の子犬の時の大きさや体重
四国犬の子犬は、生後3か月頃で約8kg、生後6か月頃には約18kgまで成長します。生後8か月頃から成長は緩やかになります。
四国犬の成犬の時の大きさや体重
四国犬の成犬のサイズは、体高が46~52cm、体重は20~30kgです。
四国犬の吠え声の大きさなど
時に硬派で無口な犬、といわれることもある四国犬は、他の犬に吠えかかられても相手にせず、堂々としています。スイッチが入ると吠えかかり攻撃に転じるようになってしまいますが、基本的にやたらめったら吠えたてるようなところはありません。番犬としても重宝されてきたことから、なわばりに侵入する者に対して吠えたてることもあるようです。
四国犬の餌について
四国犬は、飼育されてきた環境から、魚を多く摂取してきたといわれています。ドッグフードは肉が主成分のものが多いため、DHAやEPAが不足しがちだと考えられます。サプリやおやつに煮干しを与えるなどして、DHAやEPAを補ってあげると、痴呆症の予防にも繋がります。
四国犬のかかりやすい病気
四国犬は健康管理のしややすい丈夫な犬種ですが、アレルギー皮膚炎を起こすことが多いようです。普段からブラッシングの時には皮膚の状態をよく観察しておきましょう。他には、神経痛や、老犬になってから痴呆の症状が出ることがあります。
四国犬ってどんな犬?まとめ
四国犬は、頑固で勇猛、ニホンオオカミにも通じる独特の魅力があり、武士や侍に例えられることもあるほどで、熱烈なファンも少なくありません。日本犬の中でも特に数が少なく、普段姿を見かけることもほとんどありません。
日本犬としての難しい性質や運動量の多さから、誰にでも飼いやすいとは言い難い犬種ではありますが、日本の気候風土に合い、丈夫で健康管理もしやすく、飼育にはそれほど手がかかるわけではありません。特徴を正しく理解して適切に管理すれば、コンパニオンドッグとして育てることも可能です。ブリーダーに子犬を譲ってもらったら、飼育方法も詳しく教えてもらうとよいでしょう。